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瀧廉太郎 花盛り (”花”の自筆譜) [廉太郎21才 [四季]]

【2012.12.1追記】花盛りの楽譜を追加しました。--->taki_hanazakari.pdf


代表作「花」の自筆楽譜が残されています。題名は「花盛り」(はなざかり)となっています。
出版された「花」とは相違点がいくつかあり、作品が作られた過程に触れることができます。

『花盛り』
作曲: 瀧 廉太郎
作歌: 武島 又次郎





【参考】
『花』(みなさんご存じのほうです)


「花」の自筆楽譜(題が「花盛り」となっています。)
hana_score.gif



【花との主な相違点】
1.3節「げにいっこくも」の”げに”、”こく”が1,2節同様、付点のリズムになっている。

2.低音パートの旋律。
  「すみだがわ」の”がわ”
  「ふなびとが」の”なびと”(リズムも違っており上パートとずれが生じている)
  「かいのしずくも」の”かい”、”くも”
  「ちょうていに」の”いに”
  「おぼろづき」の”ぼろづ”(ここも「ふなびと」と同様、上パートとずれ)

3.最後の「ながめをなにに」の末尾
  [八分音符+八分休符]が[四分音符]となり休符がない。(注)
  ピアノも同様[四分音符]になっている(指揮がないと次の「たとおべき」が歌えないかも)。
  また後にあるrit.が記されていない。
   (注)休符はありませんが、今回の演奏はフェルマータの後に間をとっています。

4.ピアノ譜
  8,24,25,28,44,48,57小節の一部和音の相違。
  24小節「みずやあけぼの」直前の八分音符が無い。

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「花」の自筆譜について

代表作「花」の自筆楽譜が、大分で保存されていることを大分の人もあまり知らないと思います。
演奏にあたり、本などの写真印刷を調べましたが、付点等細かいところがわからず、保存されている大分市歴史資料館に問い合わせたところ、原本は無理ですが、研究目的でのコピー閲覧は可能ということで先日(7/27)見に行ってきました。
写真撮影も可(ただし個人使用に限る)ということで4ページの精巧なコピーを見ることができました。
資料館の方によると、実物は、紙の傷みが激しく、音符の部分に穴が開くほどで二枚のガラスに挟んだ状態で保存されているとのこと。
ただ「秋に展示をするかもしれない」とおっしゃっていたのでそのときに拝みに?行こうと思います。


自筆楽譜の写し。写しとはいえ厳重に管理されていました。   2010/7/27撮影
花盛り.gif


「大分市歴史資料館」 ここに花の自筆楽譜が保存されています。 2010/7/27撮影
大分市歴史資料館.gif


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『花』 作歌 武島 又次郎

春のうらゝの隅田川
のぼりくだりの船人が
櫂のしづくも花と散る
ながめを何にたとふべき

見ずやあけぼの露浴びて
われにもの言ふ桜木を
見ずや夕ぐれ手をのべて
われさしまねく青柳を

錦おりなす長堤に
くるればのぼるおぼろ月
げに一刻も千金の
ながめを何にたとふべき
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※それぞれのパートを一人で3回ずつ歌って多重録音しています。
伴奏のピアノはMIDI打ち込み、音源は"HAlion One"使用。
2010/8/14録音
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